乳頭の悩み

あまり人に見せるものではありませんが旅行や入浴時、定期健診時や、時には授乳の際に子供に乳首を含ませることが出来ないため機能的な問題となることがあります。また、陥没乳頭は窪んでいるので湿っており、感染や乳腺炎の引き金にもなることもあります。でもどこに相談していいかわからない方も多いのではないでしょうか?

陥没乳頭

陥没乳頭とは乳頭が皮膚表面に突出していない状態を言います。乳頭が乳輪下に陥没している状態で乳房が発達し始めると明らかになってくる形態異常です。先天性の陥没乳頭は比較的簡単に乳頭を引き出すことが可能な軽度な方法からまったく引き出せない方までいます。

妊娠出産で乳頭が出てくる場合も多いのですが、若い女性だとコンプレックスの原因となりますし、将来的に授乳が不可能になってくることが問題となります。(妊娠すると出てくることもあるので無治療で経過観察することもありますが)

仮性陥没乳頭

用手的に乳輪から乳頭に向かっても見上げていくと乳頭が突出できる。

真性陥没乳頭

乳頭がまったく出てこない状態

保存的療法

仮性陥没乳頭、扁平乳頭、胸の発達段階の若い女性はまず第一選択となります。授乳障害を心配している方は妊娠5から6ヶ月位から保存的療法を行えば大多数の人が授乳可能となります。

保存的療法のやり方

乳頭マッサージ(HOFFMAN法)
まず両方の親指で乳輪と乳頭の近くを圧迫しながら乳輪から離れるように引っ張ります。次に垂直方向に同様の処置を行います。一日10~20回を1クールとして一日数クール行いましょう。斜め45度の角度でも同様のことを行います。そのほか乳頭を弱く引っ張り出すのも有効です。妊娠5~6ヶ月程度から始めましょう。
乳頭吸引法(ニップレット)
持続的に陰圧にして乳頭を引き出す方法で、器具を購入していただかなくてはなりません。乳頭が入るカップに乳頭部をあてがいニップレットの端にあるバルブからシリンジで中の空気を吸引します。中の乳頭が引き出されてきたらシリンジをバルブから離します。ニップレットをつけたまま緩めのブラジャー着用は可能です。注意事項として妊娠8ヶ月から分娩までは使用を控えたほうがいいとされています。妊娠後期にニップレットによる刺激が子宮収縮を促し早産、流産を起こす可能性があるといわれています。 (当形成・美容外科では予約販売とさせていただいております。)

軽症の仮性陥没乳頭はこの方法で矯正された状態を維持できるのですが中等度以上の仮性陥没乳頭や、真性陥没乳頭は一時的に矯正されても数日以内に再発するため保存療法には限界があります。このような方法で乳頭が引き出されない場合手術が選択されます。

陥没乳頭 Q & A

いつから治療を始めればいいの?
乳房の発達が見られる年頃:
見た目の問題で気にしてくるお嬢さんも多いですが手術では乳腺が発達することによって再発の恐れがあるので、保存的治療が優先となります。

現在妊娠中で授乳が心配な方、もしくは妊娠が疑われる方:
妊娠すると乳腺・乳頭も発達し皮膚も進展せいが増すため陥没乳頭が引き出されやすくなります。保存的療法で子供が乳首を口に含むことは可能になってきます。乳腺が大きくなると同時に乳頭が出てくる場合が多いですが、どうしても出てこないようでしたら、乳管を残す治療を行う必要があります。手術ですと胎児に影響しない妊娠7ヶ月以降の手術を予定し、産科の先生に許可を得て手術になります。
手術をしたらどうなるの?起こりうるデメリットは?しなければどうなるの?
基本的に乳管を残す治療となりますが、妊娠中もしくは授乳中の方は術後に乳管が狭窄を起こして乳腺炎を起こす可能性は否定できません。しかし、そのままで治療をしない場合も母乳の出口がふさがれている状態ですので同様のことが起こる可能性はあります。
手術は局所麻酔で日帰り出来ます。術後は再完納を防ぐために糸がかかっており固定具に吊り下げ固定します。術後最低2週間行った後、衣類の圧迫を掛けないようにスポンジやガーゼで保護します。術後も再発することがあるため、ニップレットでの矯正を続けていただくことも多いです。

肥大乳頭

日本人の平均乳頭の大きさは縦1cm、横1cmといわれています。乳頭が大きいことは個人的なことですが、遺伝的な傾向にあり思春期にははっきりしてきます。妊娠授乳で更に大きくなります。もちろん男性にも肥大乳頭の方はいらっしゃいますし、水着になるときなど気になるようです。手術は局所麻酔で日帰りが可能です。乳汁分泌機能が残るような術式もありますし、形態重視の方法もあるのでその人に応じて手術方法は決定されます。

多乳頭症・副乳

人間が哺乳類であったころの名残ですが、左右一対の乳房以外に他の乳房も見られることがあり、副乳といいます。妊娠とともに乳腺が大きくなって気づくこともあります。あっても問題ではありませんが、美容上の問題と、乳腺が大きくなったときに邪魔になるけれども妊娠中は、安定期に入るまで手術が難しいこと、大きくなってからでは手術痕が大きくなることから見つけたら切除するほうが望ましいかもしれません。

乳頭内多乳症・分裂乳頭

非常にまれですが、乳頭の形の異常のことを言います。授乳がしにくい場合や形態的異常が手術の対応となります。

乳輪の悩み

色が濃い

トレチノイン軟膏とハイトロキノンの軟膏治療で漂白治療をしていきます。

大きい

手術にて余っている分を円形に切除し縫い縮める方法があります。多少後もどりするようです。